子どものためにと思って声をかけたのに、
子どもが黙ってしまう。
不機嫌になる。
「うるさい」と言われる。
こちらは責めたいわけではないのに、
思っていたのとは違う形で
子どもに受け取られてしまうことがあります。
そんなことが続くと、
「もう何も言わない方がいいのかな」
「でも、このまま見ているだけでいいのかな」
と、分からなくなることがあります。
ここでお伝えしたいのは、
声をかけることが悪いのか、
黙って見守ることが正解なのか、
ということではありません。
同じ「子どものための言葉」でも、
子どもに届きやすい言葉と、
少し重く届いてしまう言葉があります。
その違いのひとつが、
言葉の中に
“余白”があるかどうかです。
余白とは、
何も言わずにがまんすることではありません。
子どもが、
自分のタイミングで受け取れるように、
言葉の中に
「今すぐじゃなくて大丈夫だよ」
が残っていることです。
子どものために言っているのに、なぜ届かないのか
不登校、思春期、勉強、進路、
ゲーム、生活リズム。
子どものことが気になると、
つい声をかけたくなることがあります。
たとえば、
「こういう場所や方法があるから試してみる?」
「少しやってみたら?」
「一回見てみるだけでもいいんじゃない?」
そんなふうに声をかけたくなる時。
親としては、
少しでも助けになればと思っていたり、
何かきっかけがあれば変わるかもしれないと思っていたりします。
けれど、子どもが黙ってしまったり、
嫌がったり、
反発するように見えたりすると、
お母さんの心も揺れます。
「言わない方がよかったのかな」
「でも、何も言わないのも不安」
「どう関わればいいのか分からない」
そんなふうに、
声をかけることも、
黙っていることも、
どちらも難しく感じることがあります。
その声かけは、責めたいから出ているわけではない
まず、ここは大切にしたいところです。
その声かけは、
子どもを責めたいから出ているわけではありません。
心配だったり、
願いだったり、
子どもを思う気持ちから
出てくることがあります。
「このままで大丈夫かな」
「何かきっかけがあれば変わるかな」
「少しでも安心できる場所があればいいな」
そう思うのは、
子どものことを大切に思っているからこそ。
だから、
「また言ってしまった」
「私の関わり方が悪いのかな」
と、すぐに自分を責めすぎなくて大丈夫です。
ここで大切にしたいのは、
お母さんの思いが悪いかどうかではなく、
その思いが子どもにどう届いているか、というところです。
子どもの心の準備によっては、少し重く届くことがある
親としては、
選択肢を伝えているつもり。
少しでも楽になる方法があれば、
知っておいてほしい。
安心できる場所や、
助けになる方法があるなら、
子どもに届けてあげたい。
そんな思いから声をかけることがあります。
けれど、子どもの心の準備が
まだ整っていない時は、
その言葉が少し違う形で届くことがあります。
たとえば、
「こういう場所や方法があるから試してみる?」
という言葉が、
子どもには、
「今すぐ動かなきゃいけないのかな」
「今の自分ではダメなのかな」
「また何かしなきゃいけないのかな」
というふうに聞こえてしまうことがあります。
ここで責めたい人を探す必要はありません。
お母さんの思いと、
子どもへの届き方が、
少しズレることがある、ということです。
届きやすさを変えるのは、言葉の中の“余白”

では、どうしたらいいのでしょうか。
声をかけないようにする、
ということではありません。
何も言わずに、
ずっとがまんすることでもありません。
届きやすさを変えるひとつの工夫は、
言葉の中に少し余白を足すことです。
ここでいう余白とは、
子どもが自分のタイミングで受け取れるように、
言葉の中に
「急がなくていいよ」
が残っていることです。
たとえば、
「こういう場所や方法があるから試してみる?」
と声をかけたくなった時。
そこに少し余白を足すなら、
「こういう場所や方法もあるみたい。
今すぐじゃなくて大丈夫だけど、
やってみたいなと思った時に
一緒に見てみようか」
という言葉になります。
この言い方にすると、
子どもにとっては、
“今すぐ動かなきゃ”ではなく、
“選択肢として置いておける”言葉になりやすくなります。
余白を足すことは、何も言わないことではない
ここで誤解しなくて大丈夫です。
余白を足すことは、
何も言わずにがまんすることではありません。
子どものことを気にしないようにすることでも、
関わらないようにすることでもありません。
子どものためにと思う気持ちは、
なくさなくて大丈夫です。
ただ、その思いが強くなるほど、
言葉が少し急ぎ足になることがあります。
だから、
声をかけるか、かけないかだけで考えるのではなく、
「どう届けると、この子が受け取りやすいかな」
と少し立ち止まってみます。
その小さな立ち止まりが、
言葉に余白をつくってくれます。
声をかける前に、少し自分に戻ってみる
子どもに声をかけたくなった時、
すぐに言葉にする前に、
少しだけ自分の心に戻ってみます。
「私は今、何を心配しているんだろう」
「この子は今、受け取れる状態かな」
「今すぐ伝えなくても、あとで届けられるかな」
そうやって一度、自分の心に戻ることで、
言葉の温度やタイミングが少し変わることがあります。
これは、
お母さんの思いを抑えるためではありません。
子どもへの思いを、
より届きやすい形にしていくための、
小さな確認です。
自分に戻ってからかける言葉は、
同じ内容でも、
少しやわらかく届くことがあります。
TRIAL SESSION
大丈夫です
子どものためにと思って声をかけても、
思うように届かなかったり、
子どもが黙ってしまったり、
反発されたように感じたりすることがあります。
そんな時は、
「何を言えばいいのか」だけでなく、
今のお母さんの心で何が起きているのかを
一緒に整理してみることも大切です。
体験セッションでは、
子どもへの思いを否定せずに、
今、何が心配なのか、
どんな言葉なら届きやすいのか、
親子の距離感をどう整えていくかを
一緒に見つけていきます。
声をかけたい気持ちをなくすのではなく、
その思いが子どもに届きやすくなるように。
まずは、絡まった思いを
安心できる場所でほどいていきましょう。

